2018年4月21日土曜日、雲一つない快晴の中、東京は墨田区にあるスコッチグレインさんの第7回 本社工場見学会に参加をして来ました。
写真撮影、動画撮影、拡散OKとの事で写真を1,100枚ほど撮影して来たので長文になりますがご紹介をしたいと思います。
スコッチグレイン 本社工場見学会とは?
スコッチグレインのメンバーの方が対象となる靴工場の見学会で、現在年2回のペースで開催されています。HPで開催告知がされメール申し込みになるのですが、年々申し込み希望者が増加しており、当選が難しくなっています。
第7回の詳細はこちら。
今回も300件を超える申し込みがあったとの事で、当選者は僅か10名なのでかなり運に左右されるかと思います。自分も過去に数度申し込みをしたのですが全部落選であったので今回の当選、会への参加は本当にラッキーでした。
社長が10年はこの見学会を開催するとおっしゃっているので、行ってみたいと言う方は今後も諦めずに応募をしてみてくださいね。
申し込み後、当選者には個別でメール連絡が届くので、参加可否の返信をします。会が開催される数日前に工場見学会のしおりが届き、会の詳細が確認できます。3枚程のPDFになっており、会全体の流れが確認出来る実にわかりやすい しおり でした。
2018年4月21日開催第7回本社工場見学会の大まかな流れが以下になります。
09:30 | 本社工場前に集合 |
09:45 | 社長挨拶・ブランド説明 |
10:00 | 工場見学 (約100分) |
12:00 | 食事と休憩 |
12:45 | 倉庫にて靴の特別販売会 |
13:30 | モルト・ドレッシング実演会 |
14:00 | 終了・現地解散 |
特典:参加記念として、粗品と限定のプレゼントあり。 :修理靴の受付が可能。 :靴販売会での現金、キャッシュカードでの支払い可能。 |
09:30~14:00の4時間半ですが実に中身の濃い会でした。
ではでは、スコッチグレイン第7回本社工場見学会のレポートになります。
09:30 本社工場前に集合
社員の方が、工場前に出ており挨拶をすると奥にどうぞとの事で、工場の裏手側にあったビルの2階応接室に通され、そこで受付を行いました。名前の記載されたラベルが座席に用意されており着席をします。
落ち着いた調光の室内には、沢山の靴の展示と、写真が飾られています。
ダブルストレートチップのインペリアルプレスティージ 956のブラウンとブラックや、
こちらは、スパイダーの試作品などになるのでしょうか?特殊なカラーリングになっています。横にちらりと見えるのは、サドルシューズの形をしたゴルフシューズであるかと思います。
内羽のメダリオンが特徴的な物もあり、多くの靴が展示されていました。机の上には過去の雑誌で紹介されていたスコッチグレインの靴の記事の切り抜きがファイルになって置かれており、一通り目を通しました。
開始まで時間があったので、部長から最新のモデルである京都レザーを使ったスパイダー雅、粋の紹介、京都二条城での展示会の事、新聞の一面広告の事などの解説がありました。↑のスパイダーは金を使った革が使われており、現状は販売予定無しとの事でした。
09:45 社長挨拶・ブランド説明
定刻通りに全員が集合し(男性8名 夫婦2組)、部長の開始の言葉から始まります。その後、同行する社員の紹介、社長の挨拶へと続きます。
社長からはスコッチグレインブランドの始まり、最近の販売が非常に好調なこと、先月行われたファミリーセールが大成功に終わった事、今年はブランド40周年と言う節目の年を迎えるので限定モデルの事(近々HPで告知されるのですが、今回はコンビのサドルシューズです)、3つに分かれている工場の一体化の予定など、興味深い話しを聞けました。
社長がこの時仰っていたのですが、スコッチグレインでは製作工程をオープンにしているので、今回の工場見学では分からない事は何でも質問をして、見て、触れて、楽しんで下さいとの事で、本当に嬉しい限りです。
工場見学が開始となります。12名の参加だったので4つのチームに分かれて説明役の社員の方が同行し、工程の解説、質問への対応を行って頂けます。
10:00 工場見学開始
応接室のあるビルを出て、本社工場の裏にあるビルの3階に移動します。
1.革の選別
甲革がストックされている部屋になりまして、凄い数のストックがありました。白いラベルが付いているのが見えますが、そこにアノネイ ベガノとか、ボカルーなどの記載がされています。
横にある、長机の前に全員でグルっと取り囲み、社長から革の解説を聴きます。
どちらが牛の頭とお尻になっているのかや、首の部分ネックの箇所はシワが入り易い、お尻の箇所はシッポがあるので虫さされが少ないので良い状態の革がある、ヨーロッパの皮革についてなどなど。大きな実物の革を前にとても勉強になります。
↑の写真は山陽さんの革とヨーロピアンボックスが重なっており、実際に手で触れて違いが確認出来ました。
倉庫を出て1階に下りると机が用意されており、沢山の革、靴の材料が乗っていました。ここでは部長から解説になります。
2.底材の解説
底の部分に使用する革は、イタリアから輸入される生後3年~5年のメスの牛の厚い革を採用しているとの事です。
歩き心地に変化が出る部分なのでサイズに合わせて厚みを変えて整形しており、カカトの土台部分もこの革から作られるとの事です。革のなめし方の違いを交え丁寧に教えて頂けました。
革は毎年決まった量を仕入れており、無駄なく自社で裁断を行う事、正規品使用の革と、アウトレット使用の革を明確に分ける事で、安価で高品質な靴の製造を行える仕組みになっているとの事です。とても良く出来たシステムですね。
解説が終了後、1階の工場の中に入って行きます。先ほど見た大きくて厚い1枚革から型を使い、底材を抜き出していました。
無駄な部分が出ない様に、何度も型の位置を確認していました。
靴の形によって型が決まっており、木の枠の中に沢山型がありました。
仕上がった底材は机の上に山の様に詰まれています。
地面に置かれた箱の中には品番らしき物やワイズが印字された物もありました。靴の出荷数は2ヶ月程前から決まっており、白い紙に書かれた数量分を作って行くとの事です。
工場内に置かれている段ボールが全てDoleのバナナの箱だったので、『バナナの箱を使うには何か意味があるのですか?』と伺った所、『バナナの箱は頑丈で型崩れがしにくいので使っています。バナナは社員がおやつで食べています。』との事でした。きちんとした意味があるんですね。
仕上がった底材に、リブを専用の機械で取り付けていきます。職人さんが凄い早さで次から次に行っていたのですが、とても難しいらしくきちんと出来る様になるまでは2年程経験が必要との事です。
工場が3つに分かれていたのですが、1つ目の工場がここで終了となりました。
3つあった工場の内の2つ目、『靴修工房 匠ジャパン』さんの3階部分と、2階部分に移動をします。
靴修工房 匠ジャパン 3階
社長の弟さんが経営をしている、『匠ジャパン』です。建物入り口には、木とブロンズを組み合わせた格好良い看板が付いていました。
この匠ジャパンは、スコッチグレイン専門の修理工房なのですが、JMウェストンの国内での修理も行っているとの事です。
3階から見学がスタートになります。甲革の裁断、と靴の修理を行っていました。
こんな感じですねと甲革のサンプルを見せてもらいました。現在甲革の縫製は、東北の協力会社さんが行っているとの事です。
以前はここでも縫製を行っていたらしく、沢山のサンプルが棚の中に入っていました。
裁断箇所の説明で列の待ちがあったので工場の壁を見ると、会社の企業理念や、会社支給の手袋を大切に扱ってください、個人で持ち込んだ手袋の廃棄の仕方、などの貼り付けがあり、面白いなあと読んでいました。
こちらから、スコッチグレインさんの企業理念が読めるので確認をしてみて下さい。
甲革の裁断
先ほどの倉庫で紹介のあった甲革を裁断するのですが、白い線で囲った使えない箇所を除きながらの作業になります。
この白丸は、今回の見学会の為、参加者にわかり易いようにあえて白い線を書いているそうで、実際には何も書き込みがないまま職人さんが裁断を行っていくとの事です。
棚には、裁断をする為の型が沢山ありました。
この裁断をする機械は窓際に数台あり、職人さんが黙々と作業を行っていたのが印象的でした。
裁断された革は、この様に横の棚に詰まれていました。
丁度新しい革を台に置こうとしている職人さんが表面に手を当て、どの部分を使うのかを吟味していました。
黒だけではなく、茶色の革も裁断されうず高く詰まれていました。
裁断機の一番奥では『トゥのメダリオン』箇所を裁断している職人さんがいました。穴と穴の位置が近いので、繋がったり、裂けたりしないようにしないといけないので、気を使って大変との事です。
HA9040の文字が見えるので、これは匠シリーズと言う事が分かりますね。
裁断機の間には、ミシンをかけている職人さんがおり、靴の腰裏の部分の張替えを行っていました。靴ベラを使わないと、内側の革が裂けてしまうとの事で、靴ベラを利用しましょうね。
裁断機を抜けると、机がズラッと並んでおり、そこで最新のスパイダー雅の甲革の漉きをしていました。
作る時のサンプルにするのか、スパイダーが干物みたいになって置かれていました。
スパイダーの縫製する為に革をのみで漉いています。スパイダーは、1つの靴を19のパーツを使って組み立てているのですが、かなり手間がかかるので、社員の方からも嫌がられているとの事です笑
スパイダーの各部パーツが輪ゴムでくくられていますが、この後縫製され上部の甲革が出来るんですね。まあ手間が掛かっています。
ここで3階の見学が終わり、2階に移動をします。
匠ジャパン 2階 修理工場
ここの階では靴の修理がメインで行われている様で、ラックに靴が沢山置かれて、修理待ちの状態となっていました。
これから修理が始まる靴達です。靴にラベルが貼られていますが、修理箇所、名前、修理金額などが記載されていました。
こちらは、ソールを全て外された状態になっている靴達です。物凄い数の修理品があり驚きました。
ラックに詰まれた修理靴のカカトをペンチを使い外していく職人さん。1つ10秒掛からずにカカトを外していました。まあ、早いなと。
こちらはオールソールが完了し、新品の状態になったソールの靴達。
この靴に、コバの調整と、
カカトの接着を行っています。
ここで匠ジャパンの2階の見学が終わり、本社工場へと向かいます。
3つあった工場の内の3つ目、本社工場の地下から3階までとなります。今までに紹介をした部材が集まり、革靴が出来上がっていくので見ていて楽しいですよ。
ヒロカワ製靴 本社工場
本日の工場見学会の記念として本社工場前で集合写真の撮影を行い、見学となります。
工場の入り口前に、アウトレット向けの『マトリックススパイダー』が沢山作られている途中になっていました。
地下に移動をして下さいとの事で、地下に向かうと大変多くの靴の木型が置かれていました。ここで社長より木型の解説が行われます。
ヒロカワ製靴 本社工場 地下1階
社長が手に持っているのは、自身の手で初めて作られた木型です。作られてから30年以上は経過しているのですが、未だにこの木型を使ったモデルが製造されているとの事です。
先代、現会長から会社を譲り受け、新しい靴の形、木型を作る際に会長とのやり取りの話しが面白かったです。
社長が時代に合わせてシルエットを細くした木型を作ったのですが、それを会長が気に入らないらしく木型に手を加えて退室、あれ形が変わったぞとパテで修復、また会長がこっそり削ると行った具合だったとの事です。時代の移り変わり葛藤があったんですね笑
木型と言いますが今はプラで成型された物になっており、外注で製作をしてもらっているとの事でした。
木型は、カラーに寄ってサイズが一目で分かる様になっているとの事です。
木型の横には、甲革が沢山干されていました。地下は湿気が多く、革に湿気を3日程吸わせる事により、この後の作業の時に革の裂けを防ぐとの事でした。
凄い数が吊るされており、干物を連想しますね笑
地下の見学はこれで終わり、1階に上がり、工場見学が再開します。
ヒロカワ製靴 本社工場 1階
今まで見て来た、材料や素材がここで1つにまとまって行き、革靴が順を追って仕上がって行きます。簡単に書くと、1階で大まかな成型、2階で細かな調整、3階で仕上げ完成と言った感じでしょうか?
凄い早さで靴が出来上がっていきますので、写真で確認をして下さい。
先の工場で作っていた、リブが付いた中底を木型に固定します。これが靴の土台になり作業が進んでいきます。
ここでもバナナの箱が大活躍をしています笑 バナナの箱は頑丈だからと言う理由なのですが、結構な重さでしょうねこれだけの量が入っていると笑
箱を見ていると、アルパインを使用した甲革がありました。後で分かるのですがこの後奇跡の出会いがあります。
甲革を木型の上にかぶせ、カカトの土台となる型紙を入れていきます。力の加減が革によって変わるそうで、具合を見極めて職人さんが行っているとの事です。
非常にメカメカしい写真ですが、『つり込み機 トゥラスター』と言われる最近導入したばかりの高額な機械との事です。
動画を撮っていたのですが、靴の上部 つま先の革を接着剤でまとめる為の機器です。先端部分の仕上げが終わるコトンと靴が落ちます。
仕上がるとつま先の部分がこの様な感じでしっかりと型が付いた状態になります。最近導入をした最新機械なのですが、靴による革の特性の部分で職人さんの経験が必要になるとの事でした。人間ってのは本当に優秀ですね。
オフィシャルブログにも最新の機器トゥラスターの記載があったので確認をしてみて下さい。
丁度自分達のチームが見ている時にカカトの釘留めの箇所で、作業が終わってしまって写真を運悪く撮れませんでした。
数工程を経ただけで、かなり革靴っぽくなりました。茶色の靴は作業時の汚れをふせぐ為に、この様なビニールを被せてラインに流していくとの事です。
ウェルトを靴に取り付けていきます。これも凄い早さで行っており、驚きでした。
靴の底に、中物とシャンクと言われるものを入れます。スコッチグレインでは、中物にスポンジを使っているとの事です。と言うのもコルクは鮮度があり経年変化で履き心地にかなり影響があるのですが、このスポンジですと殆ど経年変化がなく、安心して長く履いてもらうことが出来るからとの事です。
中底、シャンクを靴底に入れたら、革底を接着剤で付けます。ここでも機械が大活躍でした。上と下から同時に圧力を加え接着を行っていました。
手前が革底を付けた靴で、奥が作業を待つ靴の山です。ひっきり無しに皆さん作業をしていました。
ここで、1階での見学が終わり、2階の作業場へと移動になります。
ヒロカワ製靴 本社工場 2階
工場には大きなエレベーターがあり、ラックに詰まれたまま沢山の靴が移動になります。1階でおおよその靴の形が整ったので、2階でより細かな処理をして行きます。
革底の裁断。先ほどの工程ですとかなり大きな革底が接着剤でつけられていたので、靴の大きさにあわせて切り取って行きます。ここでも職人さんが慣れた手つきで次から次にカットをしていました。
写真の奥にカットされた底材が見えます。凄い量の革が切り取られていました。
カットした底材の周囲をヤスリで綺麗にしていきます。
革底と本体を縫い合わせる為の溝を底に彫って行きます。
溝が仕上がって、本底をミシンで縫い合わせる、『だし縫い』の工程です。グッドイヤーウェルテッドの証ですね。
ここでも職人さん達は黙々と作業を行っており、次から次に靴にミシンをかけていました。
出し縫いが終わったばかりの靴。ここまで来るとかなり製品の完成が近づいて来ましたね。この後は細かな箇所の作業になります。
裏底の装飾の箇所は丁度、作業が完了した時に訪れたので写真が撮れませんでした涙
底が縫い合わされると、底材のなじみを付ける為にローラーに通されます。
こちらも動画を撮影をしたのですが、2足1セットで靴の裏にローラーをかけ、歩き易いように馴染ませるとの事です。こんな機械もあるんですね、びっくりでした。
仕上がって作業を待つ靴のラックが色んな所にありました。
コバを綺麗にする為にヤスリをかけています。
底材が付いたので、カカトを付けていきます。カカトを暖めているのは接着剤を溶かして、接着を強めるためとの事です。
靴の真ん中に張らないとバランスが悪くなるとの事で、職人さんが遠めから見て位置の確認を何度も行っていました。
カカトがこれまた凄い数が用意され、接着剤が塗られ靴に装着する準備が行われていました。
無事にカカトが装着された靴の、コバを綺麗に削ります。背面にオガクズみたいなのが凄い量見えますね。
コバの着色を行っています。完成品にどんどん近づいていっています。
こちらは塗った糸をやきゴテで溶かす?接着?をしていました。これをする事により、ほつれがなくなるんだそうです。
ソールの染色を行います。ここも凄いスピードで染色をし、次々に完成品がラックに並んで行ってました。
完成間近の靴達です。艶々で綺麗ですね。
その横のラックを見ると奇跡的な出会いがありました。
『匠シリーズのHA-3005 ブラック』が山の様に出来ていました。以前ブログに記載をしていたのですが、ブラックのみ買いそびれてしまい欲しいと思っていたのですが、工場で再会が出来ました笑
もう、これは運命でしょうね笑
ここで、2階部分の見学が終わり、3階に移動になります。
ヒロカワ製靴 本社工場 3階
階段で移動をすると目の前に凄い数の箱が並んでいました。完成した靴になります。
紺の箱になるので、アウトレット用の商品でしょうか?
通路を奥に進むと、2階から仕上がったラックに乗った靴達がいました。
丁度、916 オデッサのストレートチップがありました。人間で言うとスッピンの状態なので、これから商品として店頭に並ぶ為のお化粧、最終仕上げを行います。
中敷を貼ります。専用の接着剤を貼る機器があり、素早く次から次に貼っていました。
温風を吹き付けることにより、革の状態を確認出来るとの事です。こちらの横で、靴紐の取り付けや、磨きを行っていました。
靴にもバフを掛けるんだなあと思って見ていました。バフ掛け、輝きが増します。
靴によっては、水性の艶出しをスプレーで吹き付けていました。ここ3階なんですが凄くしっかりした塗り場がありました。
そして、数々の作業をこなしてここまで辿り付いた靴はこいつも施します。裏底の刻印です。
靴の底面についている刻印を押すための機械です。この機械には上下左右の4箇所に刻印が取り付けが出来る様です。靴に刻印をされるのは、下側に付いている物です。
機械の横には刻印が沢山置かれていました。以前に使用されていた刻印であったり、数年前のDENIMであったり、スパイダー用のSUMIDAであったり、匠シリーズ用の 匠などが見えます。
使い込んで来た、独特な重厚感がたまらないですね。
靴をセットして、ガチャンと押し込む事により・・・、
この様ないつもの刻印が付けられ、見事に靴の完成になります。
いつもの赤のシューキーパーが取り付けられ、
検品担当者が丁寧に箱詰めを行います。修理から上がって来た靴を箱に詰めていました。
検品場には、箱の側面に押されている型番のスタンプやシールが沢山ありました。
因みにここでの検品時に駄目だと弾かれた物が、B級品や、ガレージセール行きとなります。
撮影日に、検品で弾かれた靴としてカカト 上 外と書かれほんの少し切れている物がありました。ほんの小さい箇所でも良く見ていました。
これにて、本社の工場見学は終わりになりました。原材料から、靴が箱に入るまでの一連の流れを生で見れてとても勉強になりました。日産480足との事で、どこにも無駄がなく実に効率化されているのが印象的でした。
スコッチグレインさんでは、HPでも靴の製造過程を紹介しておりこちらで確認が出来ます。
あと、動画も用意されていますので、お時間ある方は一緒に見てみて下さい、とても勉強になりますよ。今回ブログを書く際に大変参考になりました笑
工場見学が無事に終わり、お昼ご飯、倉庫での販売会、モルト実演会になります。
12:00 食事と休憩
約2時間の工場見学が終わり、昼食になります。一番最初に通された応接室に戻るとお弁当、お茶、お吸い物の用意がされていました。
皆が部屋に戻ったのを確認すると、昼食が開始となりました。
すみだちゃんこ巻きと言うお弁当です。具材が勝負に勝つようにと言葉との掛け合わせがあり、とても美味しかったです。
この食事の時に社長から話しを色々とお伺いをしました。
・スコッチグレインブランドが出来た当初は、工場前で家族全員で1ヵ月かけて靴の販売をしていた。
・日産480足を増やす予定はなし、先代から会社の規模を大きくしないように言われていたがその考えは間違ってなかったと思っている。
・JMウェストンの工場の視察に訪れ、大きくて広い工場で日産380足で、スコッチグレインの工場は日産480足なのでいかに効率を重視しているか逆に驚かれた事。
・昔の靴職人はならず物が多く、協力体制が全くなかったが今は皆で協力が出来る体制が整っている。
・海外のアノネイ社とは取引きをして長いが、最近エルメスに買収をされた事により、工場内の写真撮影が禁止になった。
・海外からの来客がある際、社長自らが料理を作りおもてなしをする。
・モーモーは社員のアイデアから生まれた商品で、2000年から販売が開始されその間唯一値段が変わってない商品。
などなど、絶対に普段は聴けない様な貴重な話しを伺う事が出来たのでした。社長は非常に気さくな方で、工場見学の際にも熱心に写真を撮っていると、部材や機材の事など色々と教えて頂けました。
しばらくすると、用意が出来たとの事で、倉庫に移動をしての革靴の販売会となりました。
気に入った物があれば購入下さいとの事で、購入は強制ではありません。
因みにこの日、クレジットカード機のリーダーが不調の様で、クレジット購入の方は後日代引きでの発送となりました。
12:45 倉庫にて靴の特別販売会
こちらがヒロカワ製靴さんの倉庫になります。この様な会でないと、見れないし入れないので貴重な写真であると思います。
一面靴、靴。
凄い靴の量です。この中から、幾つかのモデルがピックアップされ、綺麗に展示されていました。
スパイダーや、匠モデル、
最近の限定モデルである、TL924など。最近ツィッターでアウトレットに入荷をしたと言う匠モデルが多い感じです。
皆なんやかんやと気になったのか、試着を繰り返していました。こんな靴はありませんか?と聴くと店員さんが在庫から確認に行ってました。
金額ですが、B級品は状態により数千円から1万円程の割引きで、通常のセールでの値引きと同じ位です。匠モデルであれば通常の値段での販売です。
丁度仕上がったというアルパインを使ったHA-3005 28,000円のダーブラウンがあり、この靴を購入されている方もいました。凄く格好良いモデルです。
倉庫で見ていた、HA-3005 ダークブラウン こちらの靴がアウトレットの店舗に入荷されたようです。気になる方は、お店に確認されて下さい。
一通り見終えて、出口付近にいると社長がいらっしゃったので、この凄い在庫の量を伺うと、全てゴールデンウィーク商戦に合わせて用意をしたアウトレット用の靴との事で、納得でした。
確か、今日からアウトレットでは10%オフになっていたと思うのですが、これだけの在庫量があれば問題はなさそうですね。皆さんもゴールデンウィークはアウトレットでお買い物をお得に楽しんで下さいね。
この時に、社長とお話しをさせて頂き、革の特性や在庫の事、この間のセールの事などを教えて頂きました。最後に無理を承知で、『現在工場で製作中の HA-3005 のブラックを売って頂けないですか?』と質問をした所、
『これもご縁ですからね。いいでしょう。是非購入されて下さい。』と許可を頂きました。何でも今丁度40足作っていたとの事で運良くブラックの購入が出来ました。今回、会に当選をして本当に良かったです涙
仕上がるのがGW明けかもとの事で、届いたらまたこちらのブログにて紹介を行いたいと思います。年明けてから靴の購入が早くも3足目になっています笑
匠シリーズ HA-3005ブラックの詳細を記載しました。
13:30 モルト・ドレッシング実演会
そして倉庫での購入が済んだ方は、部屋に戻り、モルトドレッシングの実演会になります。
見学会に同行を頂いた部長3名より、倉庫でたった今購入をした靴、今日履いて来た革靴を順番に磨いて頂けます。
磨きのコツなども話しつつ、普段どう言った業務をされているのかをメインにお話しをして頂けました。ヨーロッパでの皮革事情から、バングラデシュに出張に伺い数日の間に3,500枚の牛の革から使う物を選別されると言うのは興味深かったです。
皆さん普段から磨きに慣れているからか、あっと言う間にピカピカに仕上げていました。
14:00 終了 本社工場見学会の感想
そして、靴もほぼほぼ磨き終え席に戻り社長から最後の挨拶と、各自お土産を頂きました。工場を見させてもらい、お昼まで頂き、お土産と もう至れりつくせりで、言葉もないですね。本当にありがとうございます。
参加記念のお土産ですが、最新のパンフレット3冊、冊子2冊、モーモー、名刺入れ、靴べら、お昼のお弁当屋さんのつくだに、と言うセットでした。大切に扱いたいと思います。
9時30分から14時までの4時間30分と言う短い間でしたがとても密度の濃い時間をすごせて、本当に楽しかったです。社長、部長、対応いただいた社員の皆様本当にありがとうございました。
作っている人達、作っている裏側を覗けて、コスト削減の裏側、良質な物をいかに無駄なく価格を抑えて製品を作っているのかの現場を見れ、スコッチグレインが更に好きになり、靴も大切に履いていかねばと言う想いが湧いて来ました。とても貴重な体験でした。
この工場見学会ですが、半年に1回、年に2回のペースで今後も開催される様なので、気になる方は次回も応募をしてみて下さい。目の前で靴が出来上がって行く様を生で見るなんて、一般人からしたら中々出来ないでしょうからね。
年を重ねるごとに応募数が増えているので、自分は数度目の応募でようやく当選しました笑 諦めないのが肝心ですよ。
あと、今回会に参加をして気付いたのが、社員の皆様に挨拶をする時、ほぼ全員の方が
『履いている靴の確認』
をする為、一瞬目線を下に落としていました。職業病なんでしょうね笑 自分も何を履いて行くか相当迷ったのですが普通のウィングチップでした。 ご夫婦で参加されていた方達は、奥様、旦那様ともにスコッチグレインの革靴を履いており素敵でしたね。
今後も当ブログではスコッチグレインさんをプッシュで行きたいと思いますので、何卒宜しくお願いします。大きめのセールですが、今年の10月か11月にまた予定をしているとの事なので、スケジュールをあけておきましょうね。
随分長く記載をしたスコッチグレイン 本社工場見学会レポートですがこれにて終了となります。
おまけ
会社の階段に、日本が世界に誇る名優 松本正博警部補 いやいや、高倉健さんのサイン入り写真と木型が飾られていました。
確か以前、鉄道員(ぽっぽや)の時に健さんの靴を特注で作ったみたいな記事を読んだ記憶があります。名優からも愛された靴 スコッチグレイン、とても素敵ですね。
スコッチグレインのお手入れにオススメのブートブラックです。