日本最大の製靴ブランドREGAL。そのREGALの旗艦店 銀座にある リーガルトーキョー にうかがい、現在展開している『オーダーメイドシステム』を利用し3種類の革靴を作ってみました。
本日はその中の1つ、『工房九分仕立て』の革靴レビューとなります。
リーガルトーキョー 工房九分仕立て 革靴レビュー
現在REGALさんでは下記3つのオーダーメイドシューズの注文が可能となっています。
REGAL オーダーメイドシューズ各種
オーダー名称 | 受付店舗 | 価格 | 納期 | サイト |
Built to order system | REGAL SHOP | 46,000円から | 60日後 | 詳細はこちら |
工房九分仕立て | リーガルトーキョーのみ | 140,000円から | 約3ヶ月 | 詳細はこちら |
ビスポーク | リーガルトーキョーのみ | 320,000円から | 約6ヶ月 | 詳細はこちら |
2019年08月現在(外税)
簡単に書くと、上から
・パターンオーダー
・セミオーダー
・フルオーダー
となっています。工房九分仕立ては真ん中に位置するセミオーダーで2019年8月現在140,000円から注文が可能となっています。
手間暇掛かる革靴製作の90%の工程を職人さんが手作業で行うので、九分仕立てと言う名称になっています。ロゴマークが9/10と洒落ておりデザイナーさんいい仕事をしたなと笑
パターンオーダーをより進化させた、『工房九分仕立て』のサンプルシューズ。より自由度が高くなり、色んな種類の靴があり見ていてとても楽しいです。リーガルトーキョーの店舗2階にはこれ以外にも沢山のサンプルシューズが展示されているので、是非訪れて色々と眺めてみて下さいね。
では、今回の注文内容を見て行きましょう。
リーガルトーキョー 工房九分仕立て オーダーメイド サドルシューズ 注文詳細
店舗にサンプルとして展示されていた、『サドルシューズ』のシルエットがあまりにも綺麗で恰好良かったので、ポイントも溜まっているのでまあいいかとオーダーを決断しました。
あと、今年2019年の5月に価格改定値上げが決まっていまして2万円程基本価格が上がると言うのも大きな要因でしたね笑
店頭に展示されていた靴を元に注文をしたのですが、コバ周りと細かな箇所に追加注文をしたので、トータルとしては下記の様になっています。
工房九分仕立て基本料金 120,000円 (2019年3月価格改定前の注文)
・ヴィンテージスチール装着 4,000円
・底面ツートン仕上げ 2,000円
・ウェルト縫い回し 3,000円
・細革色選択 2,000円
・シューツリー 23,000円
合計 166,320円(税込み)
シューツリー高いなと思われたかもしれませんが、工房九分仕立て専用の物で今回一緒に購入をしました。これが実に素晴らしい出来で、この値段は妥当であるなと思わせる程の逸品でシューツリーまとめに記載をしたいと思います。
2019年3月22日に注文を行い、2019年7月27日に受け取りでしたので、完成までに128日、約4カ月となっています。では『工房九分仕立て』の革靴詳細です。
リーガルトーキョー 工房九分仕立て オーダーメイド サドルシューズ 革靴レビュー
オーダー種類 | 工房九分仕立て |
革靴の種類 | サドルシューズ |
モデル名 | No.1683 |
木型 | ラウンドラスト |
甲革 a | コスティル ライトブラウン |
甲革 b | ソレント ダークブラウン |
裏革 | ベージュ |
ステッチ | 切り放し親子穴 1+1 |
ピンキング | あり |
底材 | レザー |
底仕様 | シングルソール |
ウェルト | 縫い回し 平 |
銀革色選択 | 黒 |
出し縫い糸 | 黒 |
ネーム入れ | オーダーNo |
底仕上げ色 | ベージュ + 黒 |
サイズ | 25.0cm |
オプション | ・ヴィンテージスチール装着 4,000円 ・底面ツートン仕上げ 2,000円 ・ウェルト縫い回し 3,000円 ・細革色選択 2,000円 ・シューツリー 23,000円 |
注文の詳細は上記リストの様になっています。『Built to order system』よりも指定出来る箇所が細かくなり、選択肢が増えているのが分かります。
メインとなる甲革は、フルオーダーメイドでも利用した、現在は廃業してしまったタンナー『コスティル』を選択。色合い、発色具合が実に良く、本当に自分好みでした。
この靴の正式なモデル名が分からないのですが、通し番号として
No.1683
と記載されていまして、工房九分仕立ての靴として1683番目に作られた革靴の様です。
『工房九分仕立て』『フルオーダーメイド』の革靴ですが、REGALの浦安本社にある工房内にて3名の職人さん達で全て手掛けられています。
付属品 外箱 同封物
では、外箱から見ていきましょう。『Built to order system』と全く同じ物で梱包されていました。
店舗に沢山展示してあった、『REGAL TOKYO』専用の箱です。茶色に金の箔押しと言う高級感ある仕上がりです。
側面には、ネーム入れがあり、『Mr.○○』と自分の名前が入っていました。
同封物として布袋のみとなっています。交換用の平紐は、工房九分仕立てには同梱されないので注意をしましょう。
サイド全体
このサドルシューズを今回注文をした最大の要因が、
『美しいフォルムとカラーリング』
これに尽きます。芸術作品と言える程の綺麗さと恰好良さですよね。コスティルの革の色合いが本当に自分好みです。ダークブラウンの革ですが、ソレントと言う革で、ハイランドとはまた少し違ったカタオシ具合になっています。
サドルシューズ特融の切り替えし、コンビパターンは良いですね。
因みにですが、飯野さんの名著『紳士靴を嗜む』によると、サドルシューズとは
・正式名称はサドルオックスフォードと呼ばれ、原則ビジネスの場では使用不可。
・甲に馬の鞍=サドル状に独立した革を上から下までかぶせ、鳩目を付けた紐靴で19世紀末にイギリスで考案。構造上内羽根式、外羽根式どちらにも属さない。
飯野高広著 『紳士靴を嗜む』より
と言う定義がある様です。スーツを着る事の無い自分にはうってつけと言う事がわかります笑
今回3足のオーダーにあたり、『紳士靴を嗜む』を再度読み返したのですが、靴関連の本はこの一冊で事足りると言う程に素晴らしいと改めて思いました。
まだ読んだ事が無いと言う靴好きの方は問答無用で購入して下さいね。靴の生い立ち歴史的背景や構造、人体の解剖学にまで及んでおり、一般教養書としても使える程奥深い一冊です。
トゥ詳細
絶妙なカーブと、膨らみをもったトゥ。うっとりする程綺麗に仕上がっています。そしてコスティルの革が物凄くキメが細かいですね。一目で上質であると言うのが分かります。
これ、履き始めの皺入れがちょっと緊張しそうですね。今回注文時に、トゥにメダリオンを入れる事が可能ですか?と相談をしたのですが、
『工房九分仕立てでのメダリオン追加は不可』
との事でした。メダリオン追加を検討している方は、フルオーダーメイドになるので注意して下さいね。まあ、メダリオンを追加したらサドルらしからぬ仕上がりになるので、無しで良かったのかなと…。
店舗で受け取り時 磨きのサービスを行ってもらったので、
『軽いハイシャイン』
でとお願いをしています。ホンノリと光る具合が実にいいですね。
レーススティ詳細
5アイレットに、ブラックの鳩目が付いた仕上がりになっています。標準の靴紐は、丸紐でかなり太いダークブラウンの物が装着されていました。ちょっと太すぎる感じがするので、今後交換をするかもです。
茶色の革の部分に、ギザ ピンキングありのオーダーをしました。細かい装飾なのですが、このギザがあるとないとでは、微妙に見た目が異なるので、自分的にはギザありの方が好みでした。
こちらが店舗にあったサンプルシューズですが、こちらはギザ無しです。細かいんですが、違いが分かるかと思います。
今回、追加オプションとしてコバの張り出しを弱くしてカジュアル感を出す、色は黒でとお願いしたので、サンプルシューズと比べコバ周りも違うのが分かるかと思います。コバは本当に目立つので、最終的な見た目はかなり異なって来ますね。
ヒール背面
綺麗で丁寧な仕事と言うのが一目で分かりますね。
背面のコンビ箇所。ハイランドと比べると、このソレントのカタオシ具合は一つ一つの模様が大きく、盛り上がりがないと言うのが特徴です。
『Built to order system』のUチップ、こちらはハイランドを使用。同じカタオシですが、ソレントとはまるで違うと言うのが分かります。
また工房九分仕立てはコバを黒にしているので、引き締まって見えます。
正面全体
惚れ惚れする、優雅なシルエット。工房九分仕立てでは、職人さんが手作業で且つ時間を掛けて丁寧につり込みを行う事で、このシルエットを実現しています。
個人的に『あっ、ここがこんなに違うんだ。』と感じる一番特徴的な部分が、
『土踏まず内側の絞り込み』
の箇所ですね。グッと足に沿う様に盛り上がっているので、フィット感が抜群に良いです。このフィット感は既製靴では中々難しいのかなと思います。
言葉での説明が難しいので、気になる方は是非店舗で試着をしてみて下さい。『おお~。』と言葉が出るぐらいに履き心地の違い、手に持った際の違いを実感出来るかと思います。
正面
現状この様な浮いた状態で、返しが大きめに取られています。この返しがあると、履き始めが楽になると言うメリットがある様に感じますね。
コバの最終仕上げが、現在両ツメになっていまして、今後時間をみて平にカスタムをするかもしれません。コバ平のオプションがあってもいいかもしれないですね。
スチールのオプションを付けていたので、今回はシルバーの取り付けをお願いしました。
背面
キュッと締まった、ゆるやかな形状を描くヒールカップ。これも工房九分仕立てならではの仕上がりであると思います。
『Built to order system』だとこの様な仕上がりになっているので、形状が全く違うと言うのが分かるかと思います。
アウトソール
スチールの取り付け、半カラス仕上げをオプションでお願いしました。縫い糸が見えないヒドゥンチャネルは高級感がグッと上がりますね。
刻印は、REGAL TOKYO Made in Japan となっています。
工房九分仕立てでは、この底材の取り付けを岩手にある工場とかだったかな?にお願いをしているとの事でした。90%は手作業で、残り10%底付けのみを工場で行う訳です。
工場で底面の取り付けが仕上がった靴は、再度浦安にある工房に戻って来て、ベージュの部分に唐草文様の細かな装飾や全体の調整を施し完成となるようです。細かい所も実に丁寧に作られているのが分かります。
インソール
インソールはベージュで統一をしています。REGAL TOKYOと工房九分仕立てのロゴの金の文字が目立ちますね。
で、ここで気付くのが、履き口がうねっているのが分かりますか?これも工房九分仕立ての特徴で職人さんの手作業であるシルエットの違いですね。より、人間の足に合う様になっており、凄く考えて作られていますね。
この靴もインソールの内窓に、『Regal Tokyo RB1683』と通し番号が記載されています。RBはライトブラウンの略かもしれないですね。
商品の受け渡し時、試着の際に伺ったのですが、『工房九分仕立て』『フルオーダーメイド』の2足に関しては、履き込んでもインソールの沈み込みが既製靴と比べてかなり小さいと言う事でした。製法の違いかと思うのですが、変にブカブカになるよりはタイト目が好みなので今後の履き込みが楽しみです。
太陽光でも撮影をしてみました
革の色合いですが、太陽光でも撮影をしてみました。実際はこんな感じになります。
ハイランドよりも、色味が抑えた感じでこのコスティルの方が好みですね。今後の利用で、更に黄色に近い感じになってくれると嬉しいかなと思っています。
経年変化でどうなって行くのかが非常に楽しみです。
今回、写真撮影でこんな感じの物も数枚撮っていました。是非一緒にご覧下さい。
リーガルトーキョー 工房九分仕立て オーダーメイド サドルシューズ 感想
フルオーダーメイドの革靴を注文する為にリーガルトーキョーさんに伺ったのですが、展示されていたサンプルシューズのシルエットが余りにも素敵であったので、ついうっかりオーダーしてしまった、工房九分仕立て。
REGALさんと言えばサドルシューズのイメージが強く、ボッテリとしたシルエットが印象的なのですが、
『既製品とは一味も二味も違った、最高のシルエットの洗練されたサドルシューズ』
を入手出来、恐ろしく満足感が高いです。
今後またこのブログ上で、履き心地や経年変化のエイジングレポートなどを随時記載をして行きたいと思います。大切に履き込ん行きますよ。
工房九分仕立てですが、リーガルトーキョーで注文可能です。年に数度地方出張の受注会なども開催しているので是非、思い思いのあなただけの1足をオーダーしてみて下さいね。
余程特徴的な仕上がり、オーダー以外でもなければ殆どの方は、工房九分仕立てで問題ないでしょうね。自分思いの仕様、こだわりの1足は満足度が高く愛着を持てると思います。
REGALさんではポイント制度を採用しており、今回の様なオーダーメイドでもポイントが付与されるので、ポイントアップセールなどを使うとお得にお買い物が出来るのでオススメです。
リーガルトーキョーでオーダー依頼した3足全てが完成
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